Twitterを特集するTV番組や雑誌が多くなってきました。そこではサービスの説明やテクニックの話が多く、その本質が語られていないような気がします。ここでは違った視点「
複雑ネットワーク」「マーケティング」という切り口で見てみましょう。
■最も効率のよい「
スモールワールド」生成機
スモールワールドとは「世間は狭い」という実体験や「6人の知人を介して世界中の人とつながっている」で知られている現実社会ネットワークの特徴のひとつです。
多くの頂点(人)はわずかな枝(人間関係)しか持っていないのに、多くの枝を持つ頂点【ハブ】の存在が、平均距離6で全頂点(全人類)を結ぶことを可能にしていている、効率のよいネットワークです。

この仕組みをインターネット上に持ち込んだのがSNS。日本ではMixiやGREE(←グラフ理論で使われる次数から来ていると思う)が知られていますが、これらは枝の生成に「リンクの申請と許可」という心理的に負担の大きい手続きが必要なのに対し、Twitterは自分勝手な「つぶやき」と、フォローという相手に許可の必要のない「きき耳を立てる」という仕組みを導入し、その負担を取り除いているという特徴があります。
■楽しさはネットワークの成長とともに
Twitterは144文字までの一言しか書けないミニBlog。他のユーザをフォローする(きき耳をたてる)ことにより、ページ上に自分のつぶやきと他ユーザのつぶやきが同時に表示され、電子掲示板・チャットのようなサービスとなります。

文字で書いてもなかなか楽しさが伝わらないですが、フォローしフォローされネットワークの成長とともにその楽しさは増していきます。「ハブになる」ことがTwitterを一番楽しむコツです、段階ごとに見ていきましょう。
第1段階) アカウント作成アカウントを作ったばかりでは、144文字の一言を書いていくだけの単純なblogサービスにしか見えません。あまりに地味で予想通り楽しくありません。
第2段階) 有名人や企業公式アカウントをフォロー情報の入手が可能になったり有名人が身近に感じられ、一方通行のコミュニケーションですが新鮮な感じがします。魅力の一端が見えてきます。
第3段階) 友人間でフォロー友人同士でのフォローし合う。クローズドながら電子掲示板・チャットのような双方向コミュニケーションの楽しみが生まれる。まだまだ「そんなもんか」という感じ。
第4段階) 積極的にフォローサーチを使って興味のある話題を探しフォローを繰り返す。同じ趣味傾向をもった人たちなので、オープンな掲示板・チャット的な楽しみが味わえる。
第5段階) フォローされる数が増えていく他ユーザが自分のコメントを転送する「RT」や、同じ話題を追いかけるのに便利なキーワード「ハッシュタグ」により、自分のコメントが自分をフォローしてくれていないユーザの目にも触れるようになる。
自分をフォローしてくれるユーザが増えていき、単なるつぶやきから、「知っている人がいたら教えて」というQ&A的な使い方が可能になったり、「これ楽しいよ」など情報の提供がもたらされるようになる。
■クチコミ感染経路としてのTwitter
マーケティングのツールとしてTwitterが注目されています。スモールワールドを効率的に利用できるTwitter、そこを経路として感染的に広まってゆく宣伝方法が試されています。「効率よくハブを探し出し、つぶやいてもらう」アルゴリズムの発見に、思考錯誤が続けられています。「クチコミ」や、より積極的な「紹介」という
バイラルマーケティングがどのように実装されていくのか、マーケターのお手並み拝見。Twitterを楽しむ別の視点、いかがでしょうか (^-^)