2010年10月09日

インセンティブ -- 仕組み作りに必要な視点

私のここ数年の混乱ぶりったら無い。リーマンショックによる市場主義への批判や、日本の政権交代、そこで巻き起こる数々の論争にまったく参加できないのだ。

たとえば、市場経済の是非、政府の大小、冨の再分配のありかた等について。

なんとなくの好き、嫌いレベルの意見はある。けれど何の根拠もない。自分に軸がないものだから、評論家の意見は聞くものの正しいかどうかのポイントが分からない。

きっと公式とか仮説があって、世界的にもいろいろ試されているはずで、それらの経験が体系作られているはず。まずはそれに従って政策や制度を考えるべきと思う。

市場はけしからんとか、道路が欲しい、無料化すべきとか、なんとなくの愚衆感情によるものではなく。

行動経済学というものがあるけれど、やはり人間の感情の仕組みにに根ざした仕組みでないといずれ無理が来る。理想を掲げ無理をしても多くは破綻する。

そんなときに「インセンティブ」とか、人間の根本に根ざす経済学的視点で仕組みを捉えると、何か力学的な構造が見えてくる。幸せを哲学し、幸せをモデル化できるのではないか。

ここで紹介する本は、そんな経済学的な視点を雑学的に楽しむ前者、より日本の社会問題に当てはめる後者となっている。目次をみて面白そうだと思えたら買い、裏切られないはず。


■相撲の八百長を統計的に見抜くとか、子育てに影響するパラメータ、売春市場、テロリストの発見法など実に多彩、でヤバイ。従来の経済学では扱わない話題を扱うのがこの作者ら。


■所得格差や再分配、年功賃金、年金、市場経済、公平性、非正規社員など、最近の社会問題を経済学的に考えていく内容。
日本人は社会主義圏の中国人、ロシア人より市場経済を信じておらず、かといって大きな政府による再分配も良しとするわけでもないという調査結果には驚いた。

posted by たけまる at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | WORK
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