2010年01月17日

神様のサイコロこそが未来のスパコン -- 量子力学と不確定性原理について考える

私の本棚に雑多に並べられている書籍から、関係性のあるものを見つけて紹介するこのコーナー(?) 今回は「量子力学と不確定性原理」です。 はは、どこに行くんだ、私 (^_^;

ラプラスの悪魔シュレディンガーの猫量子コンピュータ・・どうでしょう、このSF的なドキドキする響き。個別のキーワードを元に書籍を買い漁っていたら、ある日突然 本棚で繋がるキーワード。これは乱読の快感ですね(笑)

脳内で繋がったストーリーは、「知ることに対する科学の限界」と、アインシュタインの言葉「神様はサイコロを振らない」に反し、神様のサイコロこそが未来のスパコンになるのだという物語でした。

20100117_1.JPG電子のような小さな粒は、波と粒子の性質を同時に持ち、それを量子と呼びます。電子の将来の位置の予測は、現在の「位置」と「運動量」を知ることにより計算で求めることができますが、その二つを同時に知ることはできません。つまり未来は予測できない・・これが不確定性原理。

これは人間の計測の限界ではなく、そもそもが不確定だということ。すべての物の位置と運動量を瞬時に把握し計算できるという「ラプラスの悪魔」がいたとしても、未来は予測できないうことになります。

20100117_2.JPG放射性物質から出される放射線がガイガーカウンターを鳴らし、連動して毒ガスが放出される、50%の確率で死ぬ仕掛けと、生きた猫を、中身が見えない同じ箱に入れる・・不確定性原理的にいえば、箱の中身には、50%生きて50%死んだモヤモヤした状況の猫が存在することになります。私たちが理解可能な、生きているか死んでいるかは半々だろうという理解ではない。状態を合わせもっていると解釈するのだそう。

・・こんな言葉遊びのようなモヤモヤが、じつは量子コンピュータの動作原理となる、つまり実際にある世界だというから驚きです。

そして量子コンピュータはただ漠然と「高速なコンピュータ」というイメージですが、その処理速度は現在のコンピュータと変わらないよう。ただ、暗号化に用いる因数分解のアルゴリズムなどある種の計算について、現在のコンピュータは桁数に対して指数級数的に計算量が多くなるのに対し、量子コンピュータでは比例的時間で解けるようになるという。200桁の因数分解が約10年から数分になオーダで高速化されるのだ。

posted by たけまる at 23:06| Comment(3) | TrackBack(0) | WORK
この記事へのコメント
「月は,観測しているから,そこに存在する.」

大事なものを見過ごさないようにしましょう.
Posted by のりたん at 2010年01月18日 10:31
量子コンピュータつながりで。
最近読んだ「クォンタム・ファミリーズ」
というSF小説が面白かったですよ。
おすすめです。
Posted by いそうろう at 2010年01月18日 19:57
コメントありがとうございます!
クォンタム・ファミリーズの評価は高いようですね。
年末年始のマイブームはこの「不確定性原理」つながりと「べき乗則」つながりでした。後者については今読みかけの本が終ったら書こうと思います。カオティックな感じです。
Posted by たけまる at 2010年01月19日 12:14
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